斎藤医院

遷延性咳嗽

3週間以上続く咳嗽をいいます。8週間以上続く咳嗽を慢性咳嗽といいます。胸部レントゲン等、画像検査で肺に異常がなく、胸部の聴診所見が問題ない患者さんでは以下の原因が多いです。

咳喘息

聴診所見で喘鳴は聴取できない状態ですが、病態としてはアレルギー性の気道炎症で気管支喘息と同じです。治療の主体は気管支喘息加療と同様で吸入ステロイド薬加療です。

感染後咳嗽

感冒後に咳以外の症状は改善しても、咳が長引く状態です。 患者さんは辛いですが、1～2ヶ月続くことも珍しくありません。治療の主体は鎮咳薬です。

アトピー性咳嗽

アレルギー素因がある方のアレルギー性の咳嗽です。気管支拡張薬という気管支喘息の患者さんで投与される薬剤が無効であり、診断の一助になります。治療の主体は抗ヒスタミン薬、吸入ステロイド薬加療です。

後鼻漏

鼻汁が咽頭に流入することをいいます。どなたでも鼻汁は咽頭に常に流入していますが、通常は気になりません。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎等で鼻汁が増え、咽頭への鼻汁流入が増えると、それが刺激になり咳嗽が引き起こされることがあります。
また年齢を重ねるにつれ、咽頭の機能が低下し、いままでは処理されていた後鼻漏が処理しきれずにそれが刺激となり、咳嗽が引き起こされることもあります。
原因によって治療は異なり、アレルギー性鼻炎の場合はアレルギー性鼻炎の加療、副鼻腔炎が原因であれば、副鼻腔炎加療が主体となります。

逆流性食道炎

胃酸が食道へ逆流する状態です。胃酸の逆流が刺激になって咳嗽が誘発されることがあります。胸やけ等の症状がある逆流性食道炎の患者さんは非常に多いですが、咳嗽のみの逆流性食道炎の患者さんは日本人には少ないといわれています。治療は胃酸分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬が主体となります。